Thinking Lab
仮説
記憶に触れる場所をつくれる?
実験概要
高齢化が進む中で、認知症ケアや介護の現場では、本人の記憶にどう触れるか、家族や介護者との会話をどうつくるかが大事なテーマになっているかなと思っています。認知症には根本的な治療法がないと言われていますが、過去の思い出をきっかけに会話が生まれたり、本人が安心感を取り戻したりすることがあります。また、家族がその人らしさを再発見したり、周囲とのコミュニケーションのきっかけになったりすることもあります。
昔の写真や映像をきっかけに思い出を話す回想法がありますが、空間そのものを再現したり、今いる場所に昔の要素を重ねたりすると、もう少し違うアプローチができるのではないかと考えました。
Update
01背景と問い
2026.06.30
背景と問い
回想を支える場所を考える
認知症ケアのひとつに、昔の写真や映像、音楽などをきっかけにして、過去の経験や思い出を話す「回想法」があります。NHK回想法ライブラリーのように、昔の映像を見ながら会話につなげる取り組みもあり、本人の記憶に触れるきっかけをどうつくるかは、認知症ケアを考えるうえで大事な視点だと思いました。
ただ、写真や映像を見るだけではなく、昔過ごしていた場所や、その場所にあったものまで扱えると、もう少し自然に話しやすくなる場がつくれるのではないかとも考えています。たとえば、昔住んでいた家の近くにあった木、よく見ていた鳥、部屋から見えていた景色などです。そういった要素を、ARやAIを使って今いる場所に重ねられれば、本人が昔のことを思い出したり、家族や介護者が話を聞いたりするきっかけになりそうです。
もちろん、認知症を治すという話ではありません。まずは、本人の中にある記憶や言葉に触れやすくするための材料を増やすイメージです。なので今回は、「回想を支える場所はつくれるのか」という問いから、どんな要素が使えそうか、どこまで体験として形にできそうかを整理してみることにしました。ただ、ここは机上だけで考えていても限界がありそうです。なので次は、実際に現場に行って、回想の手がかりになりそうなものを探してみることにします。





